オリフィス(Orifice)は機械設計においてしばしば登場する要素ですが、以下のような機能があります。
- 管路に途中に挿入し、断面積を絞ることで流量を調整
- オリフィスにより生じる圧力損失を測定することで流量を求める(流量計)
また、オリフィスとして設計はしてないものの、オリフィスとして捉えらることができる流路形状にて流量を求めたい場合もあります。
これらの状況にてSTAR-CCM+などの3D CAE(流体解析ソフト)で計算した流量の検算や、MATLABなどの1D CAEで流量を計算するブロックを作成する場合にオリフィスの流量の計算式を知っていると役に立つことがあります。
本記事ではオリフィスの前後に圧力が与えられた際の質量流量を求めるオリフィスの式について紹介します。
オリフィスの式の紹介
下図のような断面積A_1\,(m^2)(内径D_1\,(m))の管路の途中に開口面積A_2\,(m^2)(穴径D_2\,(m))のオリフィスが設けられた流れについて考えます。
このとき、流れの断面積は断面1(圧力 p_1\,(Pa\:abs.), 流速 v_1\,(m/s))から縮流を始め、オリフィスの少し下流の断面2(圧力 p_2\,(Pa\:abs.), 流速 v_2\,(m/s))で最小となります。
この最小断面積部分を縮流部(Vena contracta)と言います。

オリフィスの流量は縮流により有効な断面積が減ることや、流体の粘性により流速が遅くなることを考慮し、流量係数と呼ばれる調整係数を入れます。
断面1での密度を\rho_1\,(kg/m^3)、比熱比を\kappa(空気の場合は1.4)、流量係数をK、オリフィスを通る質量流量を\dot{m}_a\,(kg/s)と置くと、オリフィスの式は以下のようになります。

オリフィスの流量係数に関しては日本産業規格 JIS Z8762-2も参考にしてみてね!
ここで密度\rho_1が分からない場合は、理想気体の状態方程式より圧力p_1、気体定数R\,(J/(kg \cdot K))、温度T_1\,(K)が分かれば下式より求めることができます。
上式の気体定数Rは普遍気体定数R_0をモル質量M(空気の場合は28.966 \times 10^{-3} \, kg/mol)で割ったものを示しています。
なお、普遍気体定数R_0はボルツマン定数にアボガドロ定数を掛けたものとなり、値は8.314\,462\,618…\,J/(mol \cdot K)となります。
よって、空気の気体定数Rは約287\,J/(kg \cdot K)となります。

式(1)は管路の途中に設けられたオリフィス以外にも、タンクの穴から流出するような流れにも適用できるよ!