電子回路の勉強をしているのですが、実際に物を作って動かしてみたくなりました。
教科書で習ったことをすぐ実践してみるのは、とてもよいことだね!
いきなり、作り始めるとケアレスミスで壊してももったいないから、電子回路シミュレータで事前検討したほうがよいけど、インストールしてみた?
していないです。どれがおすすめですか?
じゃあ、おすすめの電子回路シミュレータについて紹介するね!
本記事では電子回路のシミュレーションをやってみたい初心者の方に、シミュレータの紹介、インストール手順から学習方法について解説していきます。
Keywords|CAE、電子回路シミュレータ、SPICE、無料、フリー
電子回路シミュレータ 3選
厳選!無料の電子回路シミュレータ 3選
無料で使える電子回路はいろいろありますが、結論から入ると機能・使いやすさを考えるとLTspice一択です。
Circuit Simulator Appletは電流の流れのイメージを表示できるので、初心者の方が簡単な回路を理解するのに役立つと思いますが、機能を考えるとLTspiceにかなり劣ります。
ただし、Circuit Simulator Appletはブラウザ上で動くので、インストールできない環境で使うには便利です。
ド定番!完全無料 電子回路シミュレータ「LTspice」
LTspiceはアナログデバイセズ社が作成した完全無料、機能制限なしのド定番 電子回路シミュレータです。
無料の回路シミュレータを探しているなら、LTspiceを入れておけば間違いないよ!
下記の通り多くの利点があり、回路設計を基礎からしっかり学びたい人にはLTspiceはとてもおすすめです。
- 完全無料&機能制限なし
LTspiceは、完全無料で機能の制限はありません。
無料ソフトだと、使える機能や回路規模などに制限がかけれていたり、ソフトとしての完成度が低いものもありますが、LTspiceはそのようなことはありません。 - ソフトの完成度が高い
電子回路シミュレータとしての完成度、使いやすさはピカイチです。
実際の設計現場でも使用することのできる完成度になってます。 - サンプル回路が多く公開されている
電源回路やオーディオ回路など、LTspiceの開発元であるアナログデバイセズ社のWebサイトから無料で公開されています。また、インストールする際にも学習用のサンプルプログラムが格納されます。
LTspiceのインストール手順
LTspiceをダウンロード
まずは、下のリンクよりAnalog Devices(アナログ・デバイセズ)のWEBサイトに移動します。
https://www.analog.com/jp/design-center/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator.html
「Windows7、8、10の64ビット版をダウンロード」をクリックし、ダウンロードします。
インストーラを起動
実行ファイル(exeファイル)をダブルクリックすると、インストーラが起動します。
「Accept」をクリック
ソフトウェア使用許諾契約が表示されます。内容を確認し、「Accept」(承諾)をクリックします。
「Install Now」をクリック
インストールフォルダを指定できますが、特に問題なければそのまま「Install Now」をクリックします。
インストールに成功したら、「OK」をクリック
「LTspice XVII has been successfully installed」と表示されれば、インストール成功です。「OK」をクリックします。
LTspiceが起動するまで待つ
インストーラから自動で立ち上がるので、しばらく待ちます。
LTspiceが起動する
無事LTspiceが立ち上げれば、インストール完了です。
LTspiceのサンプル回路集(デモ回路集)
LTspiceの使い方を学習するにあたり、サンプル回路を使って学習していくことができます。
アナログデバイセズ社のWebサイト
電源回路、オペアンプ、コンパレータなどのサンプル回路が無料で公開されています。
サンプル回路は下記リンクのWebサイトからダウンロードできます。
LTspice インストールフォルダ
LTspice XVIIの場合は、インストールフォルダ直下の「example」フォルダにもサンプル回路が格納されています。
「example」フォルダ直下には更に「Educational」フォルダと「jigs」フォルダが格納されています。
- Educational
- jigs
「Educational」フォルダのサンプル回路は、主に電子回路・電子部品の勉強用となっています。
例えば、ステートバリアブル型フィルタ(ハイパス・バンドパス・ローパスフィルタとして機能する回路)のサンプル回路(opamp.asc)が格納されています。
ファイルを開き、[Simulate]-[Run]をクリックするだけで、任意の点での周波数特性を観測することができます。
「Educational」フォルダには、各デバイスごとのサンプル回路が保存されています。
しかし、「ReadMe.txt」に注意書きが書かれており、このサンプル回路は製品に使える推奨回路ではなく、使用条件に合わせて再設計が必要な回路のようですので、そのまま使ってはいけないようです。
BEWARE!
The files in this directory are supplied to give an example simulation for each Linear macromodel supplied. These are only test jigs to verify some basic functionality of the macromodel and symbol — not necessarily a recommended circuit to use in production. In some instances, the circuits are in fact bad circuits designed to show that the macromodel handles some fault condition as the physical device would.They are intended only to be a convenience to help to verify that the model actually works.
–Mike, Oct 4, 2006
ReadMe.txt
YAHOO! GROUPS「LTspice」
アメリカのYahoo!ではLTspiceに関する技術的な情報交換が活発に行われています。
ただし、言語は当然、英語になりますし、アメリカのYahoo!のIDも作成する必要はあります。
少し面倒はあるかも知れないけど、活用している人は多いよ。
LTspiceの学習方法
これまで、メリットを中心に説明してきましたが、LTspiceも当然デメリットがあります。
それは無料であるがために、メーカーからのサポートが受けられない点です。
しかし、心配することはありません。現在ではLTspiceは世間で広く活用されており、使い方などはインターネットですぐに見つけることができます。
ただ、初心者の方の中には
- インターネットだと情報が分散しすぎて、分かりずらい
- 体系的にまとまったものを見て、一通り使えるようにすぐなりたい
などと思う方もいるかと思います。そこで参考書籍も紹介していきます。
CADと同じように「習うより慣れろ」というのもあるから、まずはいろいろ触ってみてね!本などはその手助けをしてくれるよ。
LTspice 学習向け書籍
LTspice入門者向けの定番の一冊。初めて電子回路シミュレータに触れる方も安心して読めます。
LTspiceの操作方法が図解で丁寧に解説されており、ダイオード、トランジスタ、オペアンプなどのシミュレーションが一通りできるようなるように工夫されています。
また、部品のばらつきの影響を確認するためのモンテカルロシミュレーションについても扱っています。
内容(「BOOK」データベースより)
LTspiceは、OPアンプやA‐Dコンバータ、スイッチング電源ICなど、高性能なアナログICを手掛けるリニアテクノロジー社が、同社の顧客向けに提供しているSPICEシミュレータです。LTspiceのもつ能力は、素子数に制限がない。実際のアナログICの特性を忠実に再現する複雑なモデルを多数組み合わせた回路を解析できる。ICやMOS FET、LEDなどのディスクリート部品のモデル・ライブラリが豊富。定数による特性の変化を捉えるパラメトリック解析。など商用シミュレータと遜色なく、波形解析(過渡解析)や静特性解析(解析)をなんなくこなします。本書は、この魅力的なフルSPICEシミュレータであるLTspiceのインストールから基本的な操作法までを解説した入門書です。
512ページの大ボリューム。電子回路も詳しく学びたい方向けの中級者向けの本です。
基礎編と活用編に分かれ、基礎編はLTspiceのインストール、基本的な操作方法からシミュレーションコマンド、波形ビューアの使い方などが解説されています。
活用編では抵抗、コンデンサ、コイル、トランジスタ、CMOSロジック回路、スイッチング電源、オペアンプなどについて解説されており、回路設計の知識深まり、エンジニアとして成長できるようになっています。
内容(Amazonより)
LTspiceを使って電子回路を学ぼう!
本書はLTspice(フリーの回路シミュレータ)を使って電子回路を学ぶものです。
単なる操作マニュアルにとどまらず、電子回路の基本についても解説します。回路の実例としては、スイッチング電源、オペアンプなどを取り上げています。
開発元のリニアテクノロジーがアナログ・デバイセズ(ADI)に買収され、業界での利用率が上がっています。また、買収後ADIの回路モデルが大量に追加され、より利便性が増しています。
オンライン学習サイト
人によっては本を読むのは苦手で、動画なら勉強しやすいという方もいるかと思います。
動画の学習サイトでもLTspiceの使い方を習得することができます。
お値段も高くはないのでご自身に合ったものをチョイスしながら、学習を進めることができます。
画面の上のほうの検索欄にLTspiceと入力すると、該当するのが表示されるよ。
なお、一度購入すれば視聴期限なしで受講でき、30日間返金保証もあります。
>>世界最大級のオンライン学習サイトUdemyまとめ
LTspiceは完全無料&機能制限なしで非常に完成度の高いソフトです。
また、広く使われているソフトですので、参考書籍やインターネット情報が豊富で学びやすいのも特徴です。
初心者の方はLTspiceがとてもおすすめです。LTspiceを使えるようになることで、パソコン上できちんと動く回路を設計でき、試作費や時間を大幅に節約することができます。
また、回路の知識なども増え、エンジニアとしても成長することもできます。