本記事ではCAE(Computer Aided Engineering)や科学技術計算をする際に使用する水の物性値について示します。
1.水の密度 \rho(kg/m^3)
CAEなどで水の状態変化を計算する際は、下表を用いると計算することができます。

なお、水蒸気のみ扱う場合は、ファン・デル・ワールスの状態方程式で近似的に求めると便利です。
ファン・デル・ワールスの状態方程式
P = \frac{nRT}{V-bn} \,-\, \frac{an^2}{V^2} \tag{1}
P:気体の圧力(単位:Pa\,(abs.))、a:分子間力の大きさを示す定数(単位:Pa\cdot m^6/{mol}^2)、V:気体の体積(=気体が入っている容積の体積)(単位:m^3)、b:分子自体の体積を示す定数(単位:m^3/mol)、n:物質量(単位:mol)、絶対温度(単位:K)
R:普遍気体定数(8.31446261815324 J/(K \cdot mol))
水蒸気の分子間力の大きさを示す定数aは553 \times 10^{-3} \, Pa \cdot m^6/{mol}^2、分子自体の体積を示す定数bは33.0\times10^{-6} \, m^3/molとなります。
また、水のモル質量は18.01528\,g/molです。
なお、気体の体積Vを求める際には数値計算(ニュートン・ラフソン法など)によって求める必要があります。

2.水の飽和蒸気圧 P_s(kPa\,(abs.))
温度と飽和蒸気圧との関係を下表に示します。

3.水の各種物性
圧力が1\,atm(飽和温度以上は飽和圧力)のときの密度、粘度、動粘度、比熱、熱伝導率、プラントル数、膨張率、表面張力を下表に示します。


